感染 転生

 



















またしても医療系ミステリー。
新進気鋭？の仙川　環の作品。
チームバチスタの栄光を読んでからなんとなくこういった方向を選んでるなぁ。
ミステリーとしては結構王道なんではないでしょうか？
チームバチスタのような不自然さはないので個人的にはこちらのほうがタイプです。

転生はまぁある程度予想通りになってしまうので、感染のほうがお勧めかな。
因みにシリーズ物ではありません。一巻完結。
ではネタバレ込みは以下続きにて。

描写は結構うまいですね。状況に振り回される主人公の心理描写につい引き込まれたのもあってスイスイ読めました。
仕事の往復2時間弱で読み切ってしまえるのはどうかと思いますが･･･

誘拐事件から移植問題、ウイルス感染と短い中にスリリングな要素がてんこ盛りなのもスピード感に拍車をかけます。
誘拐された子供が焼死体で帰ってくる･･･ウイルスの絡みなどを考えて良く作りこまれて面白い展開でした。

異種移植による未知のウイルス感染というのはややファンタジー的だけどまぁありえないこともない。
感染してしまった最後の移植者の少年をめぐるラストシーンは緊迫していて、どう決着するつもりなのかドキドキしながら読めました。

発想・設定はいいんですけど、読みきってから考えると物語の流れとしては普通のミステリーですかね。
それでも題材が個人的に好みだったのとあまり不自然さが無かったのもあって面白かった。

調子に乗って続編も読んでみましたが、こちらはまぁ感染ほどではないですね。
前作ほどのひねりがない分ストーリー展開の凡庸さが際立ちます。
面白くないことはないですが物足りないですね。

作風としては好きな部類になるので、ちょっとテーマを変えたものも読んでみたいです。
ミステリーは嫌いじゃないけどあんまり肌には合わないかな。

どうでもいいですが、作者のブログの顔が怖いよ・・・
飲酒とボクシング観戦、筋トレが趣味って･･･