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    僕はまだ子供で、
         ときどき、
    右手が人を殺す。
       その代わり、
     誰かの右手が、
僕を殺してくれるだろう。

森博嗣の描く戦争を仕事に生きる子供たちの寓話。

少し先の未来、戦争はビジネスとなり、企業が行い、子供たちが戦闘機に乗る。
彼らは戦争の為に生き、戦争の為に死ぬ。
戦争の目的も、思想もしらぬまま。
彼らは何を思い、戦い、生き、死んでいくのか。

作品は全5巻からなるシリーズ。これは1巻目でありながら時系列では最初ではないようです。
作者自身はどこから読んでも良いといっているようですが。
個々は素直に出版順に読むことにしました。

森博嗣といえばミステリィ。
今作品はミステリィとしてのほかの作品の雰囲気は残しながら描かれた物語。
すべてがFになるは読みましたが、それ以外は今作品が初めて。

率直な感想は澄んだ物語だなと。複雑だが淀みが無い。
独特な余韻と見え隠れするテーマ。
読み取れていることが正しいかは分からないが、彼は何かを訴えている。
ミステリィ作品に比べると読みやすい。ただ「僕」の主観からのみ描かれるので、背景が分かりにくい。
ただあんまり調べてから読むのもいいとは思えないので、素直に読んでしまうほうがいいかなと。
あんまり映画の予告とか見ないで、読み終わってから色々見てみたほうがいいかな。

ではネタバレ込みは以下にて。

彼の作品は理解ができそうで、そこまでに至らない。
理解させる気が無いわけではない。
理解への壁を作り、それを乗り越えられる物だけが理解すればいい。そんな気がする。
ミステリィはちょっと気合が必要か。僕には乗り越えられそうもない。

スカイ・クロラの中でも「間違ったままで飛んでいる。飛んでいることが、間違っていることなのだ。わからないだろう。きっと誰にもわからないだろう」、「理解されたくない、という気持ちが、空へ高く上らせる力になる」、というくだりがあった。
きっと彼は理解されたくないという気持ちで、小説を書き上げているのではないか。
勝手な解釈だけど。

永遠を生きるとか、大人にならないとか予告や紹介で書かれているけど、それは言わないほうがいいんじゃないかなぁ。
僕は知らずに読んだんで、「キルドレ」がなんなのか明かされたとき、物語の面白さに飲まれた。
そういった小説の面白さを削いでしまっている気がする。

映画が描こうとしているものは小説とは少し違うのでは、と勝手に思ってますけど。
珍しく小説読んでから映画に入ったほうが面白そうですね。

この世界での戦争はショーなんですかね。あおりではそう書かれてましたが。
ショーではなく、世界の平和の維持の為、そしてビジネスの為だと思うのですが。
平和を理解するためには、結局戦争が必要なのだ。
皮肉だがそれも一つの真理なのかもしれない。
世界はバランスの上で成り立っている。どちらに片寄ってもバランスは崩れる。
それならば自ら犠牲を払ってでもバランスをとる、それは一つの選択枝だろう。
そして犠牲となる「キルドレ」達がいる。

彼らは大人になれない。戦死しなければ死ぬことはない。
では何のために生きているのか。そして永遠を生きるからこそ死を求めるのか。
自ら死ぬことは孤独かもしれないが、殺されることは孤独ではない。

死を求める理由は他の巻で描かれるのかもしれない。

ハードカバーも良かったかなぁ。

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