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黒人に対する差別的意識が強い父を持つ刑務所の看守ハンス。
死刑囚であるレティシアの夫、ローレンスの死刑執行が決まるが、ハンスの息子ソニーは慣れない現場に嘔吐してしまう。
そんなソニーを父ハンスは母と同じで情けないと殴りつけるが、苦悩するソニーはそんな父と祖父の前で拳銃自殺をする。
刑務所を辞めたハンスは息子をひき逃げされたレティシアと親しくなり溺れていく。
相手が死刑囚の妻であることを、夫の看守であることをしらないまま……



久しぶりに映画を借りてみました。
ここ最近のアカデミーはあんまり興味がなかったので、こちらのチョコレートも観てなかった。

チョコレートはハリー・ベリー(ハル・ベリー)が主演女優賞を受賞した作品なんで有名ですが、なんかハリー・ベリーってキャットウーマンのイメージもあってあんまり好きじゃなかった。
でもこの作品観て印象変わりました。主演女優賞も納得の演技。

ネタばれこみは以下にて。

淡々としているようで、しっかりと丁寧に描かれていて全体のやや暗めな明かりやカメラワークなどもよく、徐々に物語に引き込まれていきました。
性描写も感情的でリアル。

タイトルからして黒人差別を前面に押し出しているかと思っていましたが、あくまで黒人差別はアクセントの一つ。重要なアクセントではありますが。
大事なものを失った二人が自らを見つめ、再生していく。
ただハンスはレティシアを大切にするといい、レティシアは大切にしてほしいという。
愛してると言わないのは相手を人生のパートナーではなく、孤独を埋める相手だと思っているからではないでしょうか。ハンスはそんなつもりではなくとも。

でも大切なのはどんな現実の中でも生きていくこと。

原題はmonster' ballというそうですが、邦題はガラッと変えてきましたね。
monster's ballは映画の中でも言われるよう、死刑執行前夜の死刑囚を囲んでのパーティー。
あんまり内容に合ったテーマではないので邦題の方が個人的には好きですね。
テーマの一つである黒人差別を強調し、物語のなかのチョコレート・アイスクリームと重ね合わせてある。

内容は良かったのですが、もう少しローレンスとそれぞれの息子の背景を描くのと、死んだあとも少し話に絡めてもよかったのでは。
でも話の長さはちょうど良かったから、まぁいいのか。


アカデミーに絡めて次はミリオンダラーベイビーも観てみよう。

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