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塩野七生の著作、ローマ人の物語をついに読み終えた。
文庫版なので実に43巻、一冊がコンパクトに区切られているとはいえ、これだけの長編を読んだのは初めて。うーん、おもしろかった。
年に数冊程度の刊行になっていたので実に10年近く読んでいたことになる。
古代の帝国ローマ、その誕生から発展、そして終焉まで。
世界史はほとんどスルーした学生生活を送ったため、まっさらな状態から読めたので勉強にもなり、また楽しかった。
体裁にも著者の考えがしっかり反映されており、また表紙の硬貨を追うだけでもその歴史を楽しめる。
著者は宗教的な部分に関しては客観的な視点で書いてある点はいいかなと。とは言っても必要以上に多神教を賛美しているきらいはありますね。
なんだかんだ通して思ったのは支配者は無知であっても怠惰であってもいけない。傲慢さはときに必要だけど。後期であればスティリコやベリサリウスなどの優秀な人材も上司が悪ければ結局無念のまま非業の死を遂げるはめになる。
まぁ近年だと麻生さんがカップラーメンの値段も知らない、漢字もろくにわからないみたいなやり玉のあげられかたしてたけど、これは無知ではなくてそんなとこしか見れないマスコミとそれを真に受ける人がおバカなんですね。
閑話休題。
ローマ賛美に彩られている部分、極論的でしっくりこない部分もあるけど、物語全体としてみれば非常に面白く、さまざまな人間模様やリーダーの生きざまなど感心させられる部分も多い。
もちろんカエサル・アウグストゥスは素晴らしいけど、ローマを危機に陥らせたハンニバルの勇猛さが個人的には一番読み応えがあったかな。
長いけどそのうちもう一回通して読んでみようと思います。
ローマに興味があればご一読あれ。
十字軍のほうも早く文庫化してくんないかな。
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